弟を追い詰めるには、自分が追い詰められたのと同じ様に仲間を装い油断させ、相手を欺いて近付くしかなかった。
どんなに信頼した相手でも、その裏切りが事実だと知った時、怒りよりも、悲しみ、やるせなさが心を締め付ける。

罪に対しての裁きは、死に対してならば死を与える事だろうか?
更生しない人間の存在を消した所で、何の歓びが其処に在ろうか?
それは、身内だから許す、という事でもなく、意味がない事だから、
それが解決するための正解ではないからなのだ。

許し難い罪が存在する時でも、兄は罪人を憎む事は無く、その罪に至る原因を憎み悲しんだ。
そう、その犠牲を生まない姿勢が組織にとって邪魔だったから、兄は消されたのだ。
腐敗した暴力の組織の中で、支持を得た兄の寛大さが、組織のボスにとっては不都合な存在だったために、弟をそそのかし、兄を殺させたのだ。

そして今、兄は弟を裁く局面に居る。


HADES CALLER 3rd 1/4 Song No.10 裁きの時

a1
俺は何も信じない
俺は総てを理解した
お前は教えてくれた
善人こそを疑えと
人は仮面を被っている
自分とて例外では無い
自分の内面を見る事は出来ない
自分自身を疑うのだ

b1
怒りの時
それは何処から来たのか
お前が原因なのか

c1
お前が悪くても俺はお前を殺す事は出来ない
お前を嫌いにはなれない

a2
お前は俺に悪意を持った
しかしお前は最後まで笑いながら俺を騙した
お前は仮面を被っている
俺も仮面を被っている
お前に笑顔で近付き
今、お前を騙そうとしている

b2
怒りの源
それは何処から来たのか
やむを得ない物なのか?

c1
お前が悪くても俺はお前を殺す事は出来ない
お前を嫌いにはなれない
c2
お前が犯した罪を俺が裁く時が来た
しかし、何人も殺す事等出来やしない

solo

c2
お前が犯した罪を俺が裁く時が来た
しかし、何人も殺す事等出来やしない
c1
お前が悪くても俺はお前を殺す事は出来ない
お前を嫌いにはなれない

b3
怒りと涙
それは避けられなかった
罪を犯した後では遅かった

俺は今、お前を裁く